もしも、エドガー・ケイシーが現代に生きていたらどうでしょうか。医療リーディングを行うエドガー・ケイシーです。やはり、人道主義者のケイシーは、難病に苦しむ人々を癒やそうとするでしょうが、マスメディアや科学技術がここまで発達している現代にあって、20世紀前半とは大きく異なる経験をせざるを得ないでしょう。
おそらく、科学的な調査分析の対象となり、頭に電極を付けられ、fMRIにかけられ、様々な実験をさせられ続けると思われます。それでも、きっとまともな結論は何も出ないのではないかと思います。ただ、現代人は戦慄するだけです。なぜなら、ケイシーという現象は科学の外側にある超常現象だからです。
しかし、現代のエドガー・ケイシーは存在しないはずです。何故かと言えば、超常現象というものは蜃気楼のようなもので、常にとらえ難いものだからです。現代にエドガー・ケイシーがいたら、超常現象が現実のものとなってしまうかもしれません。それはあり得ません。
ケイシー自身が先駆者としているのが「ポキプシーの千里眼」として知られるニューヨーク生まれのアンドリュー・ジャクソン・デイヴィス(Andrew Jackson Davis:1826~1910)です。この人は、ケイシーと共通するところが多く、やはり催眠状態でリーディングによる診断を行ったと言われています。しかし、ケイシーのようなまとまった医療リーディングの記録はありません(若干のリサーチリーディングの記録はあるようです)。それ故、他の全ての同様の能力を持つ者と同じように「…と言われている」に留まり、何らの確証もありません。常に、本当かもしれないがモヤモヤしたところが残る、といった感じとなります。これは当然ではあります。現象自体が非科学的ですから、証明されるはずのないものです。
その意味で、ケイシーのリーディング記録はあってはならない特異な文書であり、まさにオーパーツ(out-of-place-artifacts)というべき存在です。では、なぜエドガー・ケイシーは実在したのか、ということはよく考えて見るべき事のように思えます。
